Saitoの沼通信

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とある若者が趣味のことを語る場所。Twitterでは文字数が足りないようなことが中心。 クラシック音楽、ウイスキー、カクテル、紅茶などが好き。

響 ブレンダーズ・チョイス(Blender’s Choice) 香りと味は開栓後どう変わっていく?

こんにちは、Saitoです。今回はウイスキーの話です。

 

ウイスキーは、開栓してから香りや味が変化していきます。これを「開く」と言ったりもします。

 

ですが、そうして開いていった結果どうなるのか?ということが書かれているものはあまり見ません。そこで、実際に僕が飲んだボトルの中から、どのように香りや味は変化していったのかというのをまとめていこうと思います。

 

今回は、響 Blender’s Choiceの変化についてです。

 

 

1.響 Blender’s Choiceの基本情報

まずは、響 Blender’s Choice(長いので、以下「響BC」省略します)の基本情報を確認しましょう。
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メーカー: Suntory

分類: ブレンデッドウイスキー

発売日: 2018年9月4日

熟成年数: 記載はないが、最低12年,平均15年で、30年以上の原酒も使用しているらしい

特徴: 一部にワイン樽で後熟した原酒を使用

公式テイスティングコメント

ワイン樽後熟原酒に由来する甘やかさ。豊かなウッディネスと奥深くまろやかな熟成香。ほのかな苦さを擁する余韻がやさしく続く。

色: 赤みがかった琥珀

香り: 野いちご、白桃、パイナップル、クレームブリュレ

味わい: ふくらみのある甘み、心地よい酸味

余韻: やわらかく甘やか、ほろ苦い余韻

 

響17年の休売とほぼ同時に発売されたウイスキーです。実質的には響17年の後継品として売っているようです。まあ、味と香りは飲めば一瞬でわかるくらい違います。

とりあえず、こんなところでしょうか。

2.個人的テイスティング

それでは、今度は私の個人的なテイスティングをまとめていきます。もちろん素人なので、感じるままに書いています。また、開栓後の変化はしていくかは次にまとめるので、ここでは総合したものを書かせていただきます。

 

香り: メープルシロップ,ブドウの実,バニラ,プラム、若干の材木や樽,カカオ

味: バニラやブドウの甘み,梅などの酸味。飲み込むとメープルシロップの甘み,カカオやビターチョコレートの苦み

余韻: ブドウ,メープルシロップ,バニラ,レーズン,カカオ,ビターチョコレート,青草など?

 

表現はかなり違いますが、公式のテイスティングコメントとは、個人的に納得できるレベルの差です。

ただ一点、個人的にはブドウの香りを特に感じるのが大きな違いかもしれません。ブドウといっても色々とありますが、白ブドウ系のマスカットのように感じます。

 

3.開栓後の時間経過による変化

さて、本題の開栓後の変化です。

開栓は2019年9月18日です。

この時点では、香りはメープルシロップ中心で若干ワインらしさがあり、味は酸味が来てフルーティーな甘さ,そして最後に苦みという感じです。フィニッシュは、まだ記録していない頃だったので、次に新しいものを開けたときなどで補いたいです。

この方向性は、およそ150ml前後飲んで3週間程度たった10月6日まで続きました。しかし、この日はロックでしたが、すでに変化の兆しが表れていました。

 

そして、5日後の10月11日、200ml前後減った時点で大きな変化が出ます。

香りのメインがブドウに変化したのです。明らかなブドウです、特にピオーネと記録しています。風邪をひいているとの記載もあるので断定はできませんが、10月6日はロックでも巨峰やピオーネ感を味で感じ、次に飲んだ10月26日ではハイボールでしたが香りと味にピオーネと巨峰を記録しているので、変化があったとみて間違いないと思います。

しかし、同時に苦みが強くなっていく印象がありました。山崎NAと似たような、飲み込んだ後に残る苦みです。木のような植物的な風味といってもいいのかもしれません。

この時の液面はこれくらいです。

_20191012_001925 液面ライン付き-2 (2)

11月6日に飲んだ時には、ミズナラ感やリンゴや洋ナシ、バナナなども記録していて、かなり香りが氾濫していました。香りの強い花が、少し咲いている頃はいい香りだったけれど、開いたら臭くてしょうがないという感覚に近いものです。液面は、上の画像からほんの少し減ったくらいの位置で、大きくは変化していません。

 

12月20日、久しぶりに飲みました。香りの氾濫は少し落ち着きましたが、逆にアルコール感が目立ちました。アルコール感はもとから少し感じていたのですが、このときから少し強く感じるようになりました。味も、ビターチョコレートや樽のような木の苦みがメインです。

 

年が明けた1月23日、図らずも一か月置くことになりましたがあまり大きな変化はありませんでした。しかし、苦みメインだった味が、最初のころの甘さと苦みのバランスに少しずつ戻ってきました。香りの氾濫も少し落ち着いてきたようで、総合的に最初のころのおいしさが戻ってきたように思いました。
この時の液面はこれくらいです。
_20200124_012511液面ライン付き (4)-2
 

4月6日、諸々あって結局3か月ほど放置していましたが、ロックでも変化を感じました。開栓したての頃のロックは苦みが強かった印象でしたが、この時はその苦みがちょうどいいレベルになっていました。香りも氾濫している感じではなく、いい意味でただ複雑という感じでした。ここで、かなり消費しました。ロックはこのころが一番おいしかったのかもしれません。

 

4月16日、ほぼ残り一杯しか残っていない状態です。この、ほぼ最後の状態では、香りはブドウがメインで甘酸っぱく、味は甘みメインで最後にカカオのような苦み、鼻にあがってくる香りは黄色い花や白ブドウにかすかな材木などでした。こうなると、非常においしかったです。

 

こんな感じです。ターニングポイントは、10月11日と11月6日、1月23日ですね。

 

4.開栓後変化のまとめ

詳しく変化を書いてきましたが、まとめます。

 

まずは香りです。

初期: メープルシロップやバニラ中心

中期: ブドウ感の増加から香りの氾濫
     その後、落ち着くとともにアルコール感増加

後期: ブドウやバニラはそのままで、中期後半から微妙に減衰していってる感じ

 

次に味です。

初期: 酸味が来た後に甘み、最後に山崎NAと似た苦み

中期: 甘みが最初に来るが木のような苦みが増加
    後味は完全に苦みメインに

後期: 苦みが落ち着き、甘さが最初に来つつ適度なバランスに

 

そして余韻です。

初期: 記録なし…

中期: 白ブドウ、メープルシロップなど → カカオやビターチョコレートが追加

後期: 中期後半とあまり変わらないが、材木感が少しずつ感じられるように

 

全体としては、少し減ってきたころにブドウ感が急に現れ、その後香りの氾濫や苦みの増加があるものの、最後は初期とは違うが似たようなおいしさに戻るという感じです。個人的にはそのように思いました。


おわりに

いかがでしたでしょうか。個人的な感覚に基づいているので、必ずこうだというわけではありません。開栓した時期、飲む頻度、一度に飲む量、飲む場所、個人の感覚の差…などなど様々なものによって変化します。ひとつの例として、何かしらの参考になれば幸いです。